2015年8月22日 南砺移住76日目
森の人
木を切るということたと
先人が五十年もかけて
子どもの代 孫の代の為に
大切に育てられた杉
原生林とは異なり
人工林は
深い森林の底まで
太陽の光が届くよう
人間が間伐することで
森が生き返る
電動ノコギリで切れ込みを入れ
木槌でクサビを打つ
打ち付けるごとに傾いてゆく
立派で誇り高き大木が
眼の前で空気を引き裂きながら
スローモーションに倒れ
永い月日の走馬燈を垣間見る
いまだあまりにも現実感がない
コマ撮り映像のお伽話ような世界
僕の人生において
何かが変わった
あの大地に伏された時の
荘厳な振動音
いや木霊の声が
頭の中で鳴り止まない
ひとつの歴史が終わり
ひとつの歴史が始まった
(一社)moribio 森の暮らし研究所
http://www.moribio.com