2015年7月22日 南砺移住45日目
繰り返しの毎日
繰り返しの毎日
湧々農場はトマトが一生を終える
植物は動かないようでいて
動物よりもはるかに動いている
とさえ想てくる
昨日まで無かった葉が一枚増え
昨日まで無かったツルが巻き付き
昨日まで無かった花が咲き誇り
昨日まで無かった実が成り
昨日まで生きていた命が朽ちてゆき
土着菌が腐敗と醗酵と紙一重の
人類の叡智を越えた
幾何形の藝術を産み出す
あんなに晴れていた空も
次第に土砂降りの雨となる
そんな夜
大福寺で弓道の見学させていただいた
もちろん稽古の写真撮影は禁止
談笑しながら
道場の雑巾掛けを手伝い終えると
胴着に着替えた男性女性の計五人が
精神を統一して
凛とした空気が漂い
一切の会話が皆無になる
静寂の闇に包まれたかと思えば
降りしきる雨の音が
全ての雑音をかき消す
前方にも横にも後方にも
確実に人は存在する
ひとつひとつに意味がある所作
気が遠くなる程の時間
無言を貫き通し
弓の弦が張り詰め
矢が放たれる
眼を瞑っても感じる人間と人間との
絶妙な距離感 絶妙な間合い 絶妙な呼吸
絶妙な法則 絶妙な原理
なにが正しくて
なにが間違っているかは
わからない
僕には銀河を自転と公転する
輝く太陽系の星々に
想てきてならなかった